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院長コラム増刊号 ~美肌になろう 前篇~

 美肌をつくるためには、まずは健康な体をつくるための食生活が基本となります。

1日3食、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事をとり、さらに美肌をつくるのに必要な栄養素としてコラーゲンやエラスチンを構成するたんぱく質と、その合成に必要なビタミン、ミネラルを十分に摂取しましょう。

また、抗酸化作用のある栄養素の摂取や、糖化を防ぐ食べ方を意識することが大切です。

肌の「ハリ」や「ツヤ」は、皮膚の奥深くにある「真皮層」という組織に、水分と弾力がキープされていることによって生まれます。

真皮層に、弾力性を保つコラーゲンやエラスチン、水分をたくわえるヒアルロン酸などが豊富にあれば、ツヤ・ハリ・透明感のある美しい肌がキープできるのです。

通常のスキンケアでは、コラーゲン、ヒアルロン酸は真皮層まで届きません。健康な皮膚の表皮は分子量3,000以上の物質をブロックし、真皮は分子量800以上の物質をブロックします。

コラーゲンの分子量は約30万、コラーゲンペプチドの分子量は約3千から5千、ヒアルロン酸の分子量は約100万以上と非常に大きく、塗布するだけでは角質層の内側へ浸透できないのです。

つまり、市販の化粧品に含まれるヒアルロン酸は肌表面の保湿膜として機能するにとどまり、シワやたるみの根本原因である真皮層への補充にはなりません。本当のアンチエイジングケアには、真皮層・基底層へ直接届ける仕組みが必要です。

 人間の肌(皮膚)は、目で見えている表面の下で何層にも分かれ、たくさんの組織がさまざまな働きをしています。

肌の構造を大まかに見ると、表面から肌の内側に向かって「表皮(ひょうひ)」「真皮(しんぴ)」「皮下組織(ひかそしき)」という3つの層に分かれています。

表皮は肌の表面にあたる層で、さらに4つの層に分かれています。

表皮の厚さはわずか0.2mmしかありません。わずか0.2mmほどの表皮ですが、紫外線や細菌などからお肌の内側を守ったり、水分の蒸発を防いだりする大切な役割を担っています。

真皮は表皮の下にある層で、肌の大半が真皮にあたります。真皮の厚さは場所によって変わってきますが、表皮の10倍となる2mmほどになります。おもに真皮を構成しているのは、たんぱく質コラーゲンです。

そのほかにエラスチンやヒアルロン酸などが助け合って真皮を構成し、肌の本体の役割を果たしています。

肌のもっとも深い場所にある層が皮下組織で、表皮と真皮を支える土台のような働きをしています。皮下組織のほとんどを占めるのが「皮下脂肪」です。

肌の土台として、外部からの衝撃を和らげるクッションの役割のほか、体温を維持する働きなども皮下組織が担っています。動脈、静脈という大きな血管が通っているのは皮下組織です。

表皮のもっとも上にある層、つまり私たちが目で見ている部分が角質層(角層)です。角質層の厚さは表皮の約10分の1で、わずか0.02mmしかありません。

化粧品の「お肌に浸透」というのは、じつはこの角質層までのことで、そこから先の真皮や皮下組織には届かないのです。

皮膚の最も外側は皮脂で覆われており脂質が多く、内側にいくにつれて水分が多くなり、真皮は約70%が水分とされています。皮脂で覆うことで肌を乾燥から守っていますが、肌を守る要となっているのが角層のバリア機能。

よくレンガとモルタルにたとえられますが、角質細胞というレンガの周りを細胞間脂質というモルタルが隙間なく埋め尽くしており、外敵の刺激から肌を守り、肌から水分の蒸発を防ぐ、まさにバリアの役目をしています。

細胞間脂質は、50%がセラミドという特殊な脂質で、脂質でありながら水に馴染みやすい部分もあり、水分子と共にラメラ構造をつくることでバリア機能や保湿機能が高まります。

肌をより健やかに、美しく保つためには、角質層のうるおいを保ち、肌のバリア機能を整えることが大切です。毎日のスキンケアによる保湿を基本としながら、肌の状態やお悩みに応じて、美容医療によるケアを取り入れることも選択肢の一つです。

皮膚の表面にある「角層」は、外部から有害な物質が侵入するのを防いでおり、化粧品や医薬品に対しても同様に働いてしまいます。そのため、このバリアをどう通過させて、どこまで届けるかが重要なテーマとなります。

角層は角質細胞とその隙間を埋める脂質層で構成されています。角質細胞は硬く、透過しづらいため、物質は主に脂質層を通って浸透します。脂質層は油性のため、水に溶けやすい親水性物質はなじまず、通過できません。

また、高分子の成分も分子が大きいため通過が困難です。

X線や中性子散乱という方法を用いて観察した結果、角層が含む水分量が多いほど物質が角層を通過しやすいことがわかりました。

角質層の水分量を十分に保つために

こうした角質層の性質を踏まえ、当院では、毎日のスキンケアに加えて取り入れられるケアの一つとして、肌に触れずに保湿を行う「ウィンセル」をご紹介しています。

ウィンセルは、超微細な水粒子(約1.4〜1.5nm)を肌に届ける技術を用い、針も電気も使わず“非接触”で保湿と有効成分の導入を行う施術です。

非接触で導入ができること、継続することで肌のバリア機能が整うことから、敏感肌の方、摩擦で悪化しやすいシミ・肝斑が気になる方、刺激が心配でエイジングケアを避けてきた方にもおすすめです。

小さな水粒子が角質層に浸透し、細胞間脂質のラメラ構造を正常に保つことによって、長時間肌の水分が保たれ、肌の土台を整えていきます。角質層の水分量が多い健康な皮膚は、特に水溶性の有効成分の浸透がよくなります。

保湿は皮膚のバリア機能を整え、美容成分の浸透が良くなり、美肌を目指すのに理にかなっています。

皮膚の上に同じ量の製剤成分や美容成分を塗布しても、肌の一番外側の角層の水分量が潤沢かそうでないかによって、成分が浸透する量が異なるといいます。

水分があることで水のルートができ、特に水溶性の成分の場合、成分が肌の中に分配され、拡散されていく量が増えるのです。

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