乳がん検査のすすめ
乳がんは外科の疾患となりますので、当院では乳がん検診は行っておりません。
ご希望の方には専門の医療施設をご紹介します。
マンモグラフィと乳腺エコー
マンモグラフィ検査
乳房を圧迫し、平らにした状態でX線撮影を行います。マンモグラフィ検査は視触診や超音波検査では発見が困難な早期のがん細胞を発見するのに有効です。
圧迫の時間は約10秒と短いですが、圧迫する際に多少の痛みを伴うことがあります。
検査の時に出来る限り力を抜いて受けていただくことで痛みが軽減されます。
また、排卵後から生理直前は乳房が硬くなる場合があり、痛みを伴うことがあります。生理直前から生理4日~5日目までを避けることをおすすめします。
- ごく微量ですが放射線を使用するため、妊娠中の方はお受けいただけません。
- この検査での放射線被ばくは局所的であり、一回の検査で被ばくする放射線量はごく微量です。これによる白血病や発がんなどの可能性はありません。
乳腺超音波(エコー)検査
検査機器を乳房にあて、超音波によって乳腺を映しだすことで、しこりの有無やしこりが良性か悪性かを調べる検査です。
検査はベッドにあお向けになっていただき、乳房に温かいゼリー状の液体を塗って行います。
日本人の女性は体質的に高濃度乳房(デンスブレストと言います)の方が多く、マンモグラフィ検査では腫瘍を描出できないことがあり、乳腺超音波検査の方が有効であるという報告がされています(2021年 東北大学)。
デンスブレスト(高濃度乳房)について
マンモグラフィ検査ではX線が通過しにくい乳腺組織は白く、通りやすい脂肪組織は黒く写ります。
そして乳房に占める乳腺組織の割合のことをマンモグラフィでは「乳腺濃度」と言います。
白い部分(乳腺組織の部分)が多いと、乳腺濃度が高いと表現し、反対に黒い部分(脂肪組織の部分)が多いと、乳腺濃度が低いと表現します。
デンスブレストの頻度は、40歳代で55~89%、50歳代で35~48%、60歳代で25~32%、70歳代で10~21%と報告があります。
40歳以下は70%以上と言われています。
年齢が若いほどデンスブレストである場合が多く、超音波検査の併用が有効であると考えられます。
- 乳がんは外科の疾患となりますので、当院では乳がん検診は行っておりません。
ご希望の方には専門の医療施設をご紹介します。
乳がんのセルフチェック
乳がんは身体の表面に近い部分にできるため、観察したり触れたりすることで、ご自身でも見つけられる可能性の高いがんのひとつです。
そこで、早期発見のためにも日頃行なっていただきたいのがセルフチェック(自己検診)です。
生理が始まって1週間後のハリや痛みがなくなった柔らかい状態の乳房をご自身でチェックしてみましょう!
毎月1回「セルフチェックの日」を決めて定期的に行うことをおすすめします。
入浴前に
鏡の前で、腕を高く上げ、ひきつっていないか、くぼみや乳輪の変化がないか、乳首がへこんでいないか、湿疹がないかを確認します。
また腕を腰に当ててしこりやくぼみがないかも観察しましょう。
入浴中に
石鹸がついた手で行うと状態がわかりやすいため、入浴時に行うと良いでしょう。
- 脇の下から乳首までをチェックします。
4本の指を揃えて、指の腹と肋骨で乳房をはさむように押し「の」の字を書くように指を動かしてください。
この時、しこりや硬いこぶがないか、乳房の一部が硬くないか確認しましょう。 - 乳房や乳首をしぼるようにし、乳首から分泌物がでないかを確認してください。
おやすみ前に
仰向けに横になります。
この時、肩の下に薄いクッションを敷くと確認しやすくなります。
- 腕を上げて、乳房の内側半分を指の腹で軽く圧迫しながら確認します。
- 腕を下げて、乳房の外側半分を指の腹で軽く圧迫しながら確認します。
- 脇の下に手を入れ、しこりがないか指の腹で確認します。
乳房全体のなかで、乳がんができやすい場所があります。
セルフチェックをする際に参考にしてください。
部位別発生頻度
乳房を、内側上部、内側下部、外側上部、外側下部、乳輪部に分けた場合の部位別発生頻度は、
- 外側上部(47.6%)
- 内側上部(23.5%)
- 外側下部(13.0%)
- 内側下部(6.8%)
- 乳輪部(6.1%)
の順になります。
がんのできやすい外側上部を念入りに確認してください。

変化を確認するためにノートなどに記録を書きとめておくと良いでしょう。
乳がん発見のきっかけの半数はセルフチェックです。二年に一度の検診と月に一度のセルフチェックをおすすめします。